カルチャー加藤くんの文化活動

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牛久大仏は変

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今から一年程前、茨城県に高々とそびえ立つ、牛久大仏に参じる機会があった。今回はその時に感じた「牛久大仏に対する違和感」についてお話ししたい。はっきりいうとかなりどうでもいい話だと思うし、周りのひと数人にもこの話をしたのだけれど、笑ってくれる人だったり、全く伝わらなかったり、どうでもいいじゃん!的な反応だったり、その話インタレスティングだねてな反応だったりバラバラなので、みなさんがどう感じるのか気になるところだ。

◼️牛久大仏ってなんやねん

牛久大仏とは茨城県にある大仏だ。その大きさはなんと120メートルもあって、世界一大きな仏像としてギネスにも認定されている。その大きさゆえ、この大仏はビルを建てるのに用いるカーテンウォール工法を採用しているらしく、大仏なのに5階建てだ。しかも中にエレベーターを仕込んで各階に展示や、ちっこい仏像がズラと並ぶ空間があるという、異端中の異端大仏である。

そして特筆すべきはこの大仏、1989年に建設されたという点だ。「新しっ!」僕はこのことを知った時とっさにそう思った。いわゆる大仏とかお寺だとかってものは、漏れなく古い歴史を持つものだとなんとなく思っていた僕には軽い衝撃だった。爆笑問題と同じデビュー年だ。とも爆笑問題ファンの僕は思った。余談。

◼️牛久大仏の体内

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僕はそんな牛久大仏の内部に足を踏み入れた。まず一階で度肝を抜かれたのだけれど、ちっこい仏像が色とりどりにライトアップされてズラと並び、プロジェクションマッピングみたいな感じで写経?のような文字群が右に左に、床や壁を舐めるように照らしまくっているのである。「はて、なんこれ」みたいな感じで僕は最初小首を傾げたのだが、さすが。生まれが89年なだけあってアトラクション感がすごいのである。ただ今回話す違和感はまだここでは生まれていない。問題は2階の展示室である。

◼️違和感

2階は、ここが多分観光用にというか見せる用としてメインルームだと思うのだけれど、牛久大仏がどうやって建てられたのか、建設途中はどうであったのかなどを写真や模型を使って解説入りで展示している空間である。僕はこの「牛久大仏の体内で牛久大仏がどうできたのかを解説する」ということ自体に違和感を覚えたのである。どういうことか!まだわからないと思うのだけれどその時の僕の気持ちだけを言うと「いやなんやこれ、全部お前のことやん、お前の体内でお前のこと聞かされて、これなんやねん」と言うことだ。ここでもしかしたらみなさんは、

「いや別にそれは変じゃないでしょ。だってそれはお城とかだってそうじゃん。中にこういうお城ですとか展示してあったりするやん。何言っとんこのうすらボケ」と思っているかもしれない。ただちょっとまって頂きたい!僕の違和感はそんなことでは止まらないのである。というかとりあえず説明させていただきたい。

◼️違和感の解説

まず大仏だったりお城だったり歴史的な建物の中にその建物自体の展示があると言うのは普通にあることだと思う。僕もそこは分かっているし、それは全然自然なことだと思う。じゃあ何に違和感を感じているのかというと順番が違うじゃん。と言うことだ。

まずお城や他の大仏は歴史がある。それを現代の人があとから、これは尊いからみんなに見てもらいたい→じゃあその中に展示や解説を仕込んで充分に堪能してもらったらどうだろう。と言う順番なのだ。ただ、この牛久大仏の奴はというとどうだろう?1989年。ギャンギャンに今の日本が仕上がってから大仏を構想、おそらく展示室を仕込むことを折り込み済みで建て上げたのである。僕が言っている違和感はその、「自分で建てて、自分で説明してる」という感のことなのである。分かってもらえるだろうか?この違和感、共感していただけるだろうか?

もう少し続けさせてもらうと例えば、ある記念館を建てたとする。その記念館は何の記念館かというとその記念館ができたという記念館で、その記念館がどうやってできたのかを写真模型を解説入りで展示してある。この柱はどういう木材を使っているのか、この建物はどういう工法で建てられたのかを展示しているのだ。おかしい。それはおかしい。それは変。それを牛久大仏はやっているのだ。牛久大仏は大仏であるということや、他を圧倒する程でかいというベールを纏っているため気付きにくいが、こういうことをやっているのだ!

と、話はこれで終わりなのだけれど、僕は別に変だからといって「滅べや」と言っているわけではない。同じ年、鎌倉の大仏にも参じたのだが正直あまり楽しめなかった。言ってしまえばただのお寺で、そこにある大仏っていうだけなので、神仏の類に対して無知な僕のレベルでは楽しめなかったのだ。ただ牛久大仏はアトラクション感満載で大仏とは思えないほど、楽しかった。変だけどいいよ牛久大仏牛久大仏love